睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置(OA)
当クリニックでは、2015年よりOSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)の改善のため、
口腔内装置【Oral Appliance;OA】を利用する治療に取り組んでいます。
この治療は、一般歯科ではあまり取り扱われません。
日本睡眠歯科学会 や (一社)日本睡眠総合検診協会
などで研修を受け、対応しております。
睡眠障害について
睡眠障害は、交通事故や転倒事故などの間接的な原因となるばかりでなく、
不登校や出社困難、うつ病などの神経症、身体疾患(糖尿病、高血圧、その他)
さらには寿命にも影響を及ぼすと言われています。
そして睡眠障害による社会的損失は、3兆5,000億円に及ぶとの試算もあります。
閉塞性睡眠無呼吸症候群(OSAS)とは
日本の患者数は300万人以上で、有病率は2~4%、中年期以降の男性に多くみられます。
症状は、日中の眠気、睡眠中の呼吸停止、いびき、口渇、集中力の低下 などです。
閉塞性睡眠無呼吸症候群(OSAS)の治療について
疾患への対策としては、
睡眠中、鼻から圧力空気を送り込む装置、CPAP(シーパップ:Continuous Positive Airway Pressure)や、
歯科医院で扱う口腔内装置(OA)などがあります。
300万人いる睡眠障害の方の中で、
CPAP(シーパップ)を使用しているのは40万人程度(装置の供給数)という事ですので、
250万人以上の患者さんに、何らかのOSASに対する治療が必要といわれています。
口腔内装置(OA)は、CPAPほどの治療効果はありませんが、
取り扱いがCPAPに比べ簡易なため、その普及が期待されるところです。
やや専門的になりますがOSASでは、
AHI(Apnea Hypopnea Index)が5以上で確定診断となり、
20以上でCPAPの適応となり、保険治療が受けられます。
※AHI(Apnea Hypopnea Index;無呼吸低呼吸指数)とは
睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数のことで、この指数によって重症度を分類します。
口腔内装置(OA)作成の流れ
一般医院で、OSOAの診断を受ける
口腔内装置(OA)は歯科医院で作られるものですが、
健康保険で作るためには、紹介状(診療情報提供書)が必要となります。
睡眠時無呼吸症候群(OSSA)の確定診断が可能な
医療機関、一般医院(耳鼻科や呼吸器内科など)で診断を受けてください。
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紹介状を持って、当クリニックに来院
OSASの診断結果となる紹介状があると、
歯科医院での受診と【口腔内装置(OA)の型取り】ができます、
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口腔内装置(OA)のお渡し
当クリニックの場合、通常1週間後の装置お渡しとなります。
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再評価
口腔内装置(OA)種類と作用機序
上の画像は、最も一般的なモノブロック型(上下一体型)のOAですが、
バイブロック(上下分離型:通常はゴムで力を加えられる)のタイプもあり、
バイブロック型は保険適用外です。
また、単なるいびき症・保険適用外の装置は、自費治療になります。
OAの作用機序は、下顎の開口制限と前方移動および下顎の固定 にあります。
睡眠時(特に仰向けで休んでいるとき)は下顎が下方に沈むことよって気道が閉鎖され、
いびきや無呼吸が起こるため、下顎を前方で固定させ、気道を確保します。
OAで十分な効果が得られなかった場合は、減量やCPAP、手術などとの併用が勧められます。
長谷川亨・歯科クリニック|3つの特長